2020/04/14
Finish Works 今だからこそ大きな模型を作る・塗る!
■HASEGAWA 1/32 scale キ43-II 中島 一式戦闘機 隼 二型
■心は折れてないか? 下を向いてないか? さびしくないか? この短期間、僕は全部感じました。そして一番の解決策が家にいるということ。STAY HOME,STAY AT HOMEと叫ばれすごくやり切れない雰囲気と、何とかそれを克服しようと盛り上げようとする人たちのポジティブな行動。そんな空気が日常を支配しています。しかし僕たちモデラーにとってはどうでしょうか? 今の状況。僕たちの独壇場じゃないですか! 俺たちが模型って楽しいんだ! 家族ともできる、家族やパートナーとの理解を得て模型を楽しむチャンスなんだといろんな方法で見せて、語って、繋いで行く番なのではないでしょうか? そして今こそ、自分が作りたいものを思いっきり作って前を向いていこうじゃないですか! 俺はでかい模型をやります。

▲あまりにも美しく、空というよりもどこかほかの次元を舞っているかのような隼。2000円のプラモを買うことで、小池繁夫氏によるこのイラストを自分の部屋に置くことができる。模型は箱も主役。絶対に忘れたくない文脈だ
■家にいる時間が増えると、雑誌を手にする機会も増えますね。バックナンバーを手にすると、いつもよりゆっくりと余裕をもってもう一度記事を楽しむことができる感覚ってないですか? 最新号って情報を吸い込みまくろうとしてなんか僕は焦ってしまうんです。
■バックナンバーの「スケールアヴィエーション2019年9月号」の松本州平さんの隼の作例記事を読んでいると「その辺で古い模型屋をみつけて、お!っと思って入った時に、品ぞろえがあれな感じで何も買うものがない時に1/32の隼を買って出る。そんな模型」というお話が出てきました。どんな模型じゃい! と思いながらも飛行機模型のスペシャリストがすっとお金を払って模型屋さんを後にできるキットってめちゃくちゃに興味わくじゃないですか! しかも2000円くらいで1/32というビッグスケール。作例もめちゃくちゃにカッコイイし、ここはいっちょ作ってみるかとなりました。
▲バラバラ~っとパーツを出すと、パーツ数少なくてびっくり。これは楽しく作れそうだぜ!
▲胴体のリベットもすごく迫力があり、ワクワクが止まらない。凸リベットは模型をマッチョにしてくれる。モチーフを模型へと昇華してくれるアイコン。色を塗るとお前の存在感が最高なんだよね
■1969年に産声を上げたキット。僕のお父さんとお母さんはまだ出会ってもいない。戦争が終わってまだ24年しかたってない世の中に放たれた隼。きっと戦争で乗った人もまだ生きていたかもしれません。与太話ですがうちの祖父は僕に「隼を整備していたんだ」と話してくれましたが、実際は戦車部隊に所属していました(お葬式で知りました)。何故そんなホラをふいたのかは知りませんが、この隼を組むとなんか好きになるし気になる存在になるんです。祖父も隣の芝生が青く見えたんでしょう。隼いいな~って。当時から愛されていたんでしょうね。だからキットを組んでいるときも昔のキットだけどすごく安心感がある。無口だけど整頓された祖父の家に遊びに行った記憶が呼び起こされました。祖父のホラのおかげで零戦よりも先に知った日本の戦闘機なのでした。
▲僕は基本水性アクリルで塗ります。水性アクリルの銀で気に入っているのが「ファレホのジュラルミン」。とてもぎらついた強い銀で、どうだこのやろう!かっこいいだろう!と主張してくる銀です。好きです。この上にプレミアムトップコートの光沢で塗料をがっちりコートして、タミヤアクリルの濃緑色+クリアグリーンを塗ります。その後迷彩をタミヤアクリル溶剤を含ませた筆でドライブラシしました。その動画は僕のツイッター@neofumiteshiで公開していますので見てみてください
■僕は今、模型が完成した次の日の朝に撮影するのにはまっています。まだ朝は寒いので、暖かいコーヒーかお茶を入れて、飲みながら撮影。物音もしない静かな中で撮影していると、模型との対話が始まります。どこを写そうか?とか、完成してよかったな~、本当にとか。全然たわいもないことです。でもそんな時間を朝からゆっくりできるのっていいと思うんです。撮影した写真をスマホに入れて通勤中、ニヤニヤしながら自分の作った模型を見る……日常の中の時間に“模型”を落とし込むのは「作る」だけじゃないですよね。それ以外も面白いから自分の時間の中にどんどん落とし込んでいきたくなる……だから趣味なんですよね。
▲撮影スタートから朝日は昇り続ける。時を戻すことはできない。シャッターを押した回数だけ出会いが待っている
▲光源とは非常に面白く難しい。少し時間がたつだけで全く異なった絵になるのだからこまったもんである(←楽しい悲鳴)
■1/32スケール。台からはみ出る。でもそれを見ていると「いや~作りましたな~」という達成感がやって来きます。しかもこのキットはシンプルだからこそ、でかいのに短距離走のようにゴールが見えた中で作っていけるので最高です。ハセガワの1/32スケールは「でかい⇒緻密&精密」ではなく、「でかいの作るのって楽しいよ」という声が聞こえてくるシリーズです。細かいところを言うといろいろあるみたいですが、“でかくてカッコイイ”が短時間で手に入るのはやっぱりうれしいもんです。組み立てのストレスが少ないから、塗装工程にもスムーズに移行できるのでリズムが崩れません。そういう模型ってやっぱり良いですよね。


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