2020/04/03
BUILD #012 イタレリ フェラーリ 250GTO 情熱の赤



■箱を開けてこれが目に飛び込んできたらどう思いますか?僕は「勝ったな」って思います。このパーツを見た・触った瞬間に体内に250GTOの魅力が流れてきます。フェラーリを象徴する「赤」とエンジニアリング・チームが追い求めたエアロダイナミクス…つまりボディデザインをこのパーツだけで手に取って、じっくり見ることができるんです。もしこれが「グレー」や「白」だったら。僕は最後まで組めたでしょうか。
■このキット、シート周りのインテリアや、ボディのパーツは非常にシンプルなのですが、エンジンはちょっとこだわられてます。250GTOの2953cc V型12気筒エンジン「テスタロッサエンジン」を楽しんでくれよ!というイタリアンサービス。メッキパーツ、シルバーと黒による成型色で分けられており、気分は最高。

▲黒いものは黒くしておこうというのは本当に車模型でありがたいと思っています。古いキットでも金型にプラを流すという行為は変わりません。このキットを生み出した人が「色があるほうがみんなうれしいかな?」という考えを受け取ることができます。「成型色による完全再現」なのか「チェイサーのように和らぎをくれる成型色」なのか。プラモは成型、成型色でいろいろな見方ができて本当に楽しいです


▲地中海の空や日光にはかないませんが、フェラーリレッドは日の光を浴びるとなんと美しいのでしょうか。当時このプラモを作って、イタリアの外光を浴びさせて遊んだ子供たちはどんなに幸せだったでしょうか? 自分の子供にもフェラーリってかっこいいんだぜって言っているのかな?
■セリアAが好きで、深夜のセリエAダイジェストで当時フィオレンティーナに所属していた僕のアイドル「ルイ・コスタ(ポルトガル代表)」のプレーにくぎ付けになっていた学生時代。カルチョからイタリアを知り、その後洋服や革靴、芸術、料理と常に僕の中に楽しさを提供してくれてきたイタリア。そしてやっと36歳になって工業製品までたどり着くことができました。実はフェラーリは好きじゃなかったんです。それは日本のメディアのお金持ち紹介や町で見たときの成金感がすごすぎて…。本当にかっこよく乗っている人もいるのにそういう人たちが「大衆メディア(専門誌などではございません。)」では取り上げられない。そういうことじゃ文化に触れるなんてのは一生無理。この1/24という小さなものを1つ作ることのほうが文化に触れます。文化に触れることも旅ですよね。だからプラモデルで旅ができると僕は思っています。小さな中古ショップで出会ったプラモデルがとても大きな幸せな時間をくれました。おしまい。
■Postscript
■幸運なことに僕は英国のグッドウッドリバイバル2017で250GTO/64と対面していました。この隣にはかっこいいツィードジャケットにどでかい白のワークジャケットを羽織っていたカッコイイオヤジさんがいろいろ指示を出していたのを覚えています。これは最高峰の大人のたしなみなのでしょうが、本気で楽しんでいる空気は車をより輝かせていました。まだまだ車を当時知らなかった自分。もう一度来いよという声が聞こえるので、世界が落ち着いたら真っ先に行こうと思います。その時にまた出会えたらいいな、だってお前あの日レースでクラッシュしてたもんね。おしまい。
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