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本を読んで考える#004 ユニクロ「Life Wear」

U-2.jpg▲ユニクロのフリーマガジン。創刊号と第2号。ファッションの春夏&秋冬シーズンごとに発行されるので、年2冊発行されるという感じなのでしょうか?

◼️自分たちの商品、もしくは自分たちが取り組んでいることをよりよく見せるにはどうすればよいのか……。
どの企業も、ましてや今は個人でも小さなスマホを相手にどうすればと考えている時代だと思います。僕自身もこうやってブログでぺろぺろと文章を書いたり、写真を撮ったり、作った模型を見せたりしながら、自分はどんなことを見せたいか、またはどう見せたらかっこいいのか? など考えながら発信しています。

◼️前書きが長くなりましたが、最近「ユニクロ」の店舗には行きましたでしょうか?
ユニクロというと……服ですね。
U.jpg▲UNIQLO Uの最新作「エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)」。1500円。店頭で見て、見た目と触り心地、着心地が良くて即購入。数枚買って毎日ガシガシ着たいと思える安心感があります。デザインも良いのですがどちらかというとプロダクトとしてすごくしっかりしているのがUNIQLOだと感じています

◼️お手軽な価格だからこそちょっとサイズ感をいつもと変えてみようとかできる遊び、大量にある服から自分好みのものを選ぶワクワク感、トレンドが入っているので、意識していない人でもその時の雰囲気を知らずと知らずのうちに身に纏えるインスタント感(←似合うかに合わないかは別のお話です)、企業努力による価格帯によりお手軽に購入することができ、生活服としてガシガシ着ることができる! いつもそばにいてくれる存在。これまでの「洋服」とは違って「ユニクロはユニクロ」というプロダクトを確立させており、知らず知らずのうちに僕らも服だけではなくユニクロが仕掛ける動き(ブランドや実力&実績のあるデザイナーとのコラボなど)も楽しんでいると思います。そんな企業がより多くの人に自分たちの考えを提示しようと動き出しました。それが冒頭の写真の「Life Wear」です。
U-3.jpg▲現在店頭で配布されている第2号は「Livable Cities 」と題して街と服の関係、等身大の暮らしやすさにマッチする服とか生活とはどんなことかということを、曼荼羅で言えばUNIQLOの服を主尊に据えてテーマごとに語られています

◼️自分たちのポリシーを伝えるためのオウンドメディアであるのですが、カタログ的な面も持ちながらもそれだけに留まらず様々な要素でUNIQLOの服の魅力と考え方を伝えている非常に素敵な内容です(というかこんな編集してたら楽しいでしょ! って本気で思ってしまいました。)。webでも公開しているのですが、ぜひお店に足を運んで1冊手に取ってみてください。webでは体験できない、本による記事のパレードを自分の指でページをめくることで体感するとこの「Life Wear」が伝えたいことがぐっと近くにやって来ると思います。
DSC_3389.jpg▲こちらは創刊号。現在は店頭では配られていません。「New Form Follows Function(機能美から生まれる新しいデザイン)」というキーワード。ファッションやライフスタイルの本にあるかっこいい感じのテーマ(だけどどんな意味なの?ってなりますよね。)。UNIQLOにあるストーリーを大事にする誌面構成により、UNIQLOの服に付加価値がついたと思います。僕はこの号が出て、よりUNIQLOを見るようになりました

◼️また表紙のロゴのUV加工や中面での紙の切り替えなども楽しく、どんな台割(印刷物の設計物)になっているんだろうと、つい昔の癖で台割写経したくなってしまいました(しました。ただでもらえて、服も楽しんで写経ができるなんて……)。
U-4.jpgU-5.jpg▲2枚の写真を見てもらいますと、ちょっとわかりにくいかも知れませんが、同じ本で異なる紙が使用されています。テーマや見せたい雰囲気、コスト面などで切り替えたりしていると思われるのですが、フリーマガジンでこのように美しい流れで紙を変えて、読んでいる人の脳のスイッチを自然に切り替えていくギミックが盛り込まれているのはすごいと思います。写真やスタイリングも様々な雑誌で活躍する一流の方達なのでよりUNIQLOの服がよく見えますね

◼️自分たちのものを知ってもらうために、自分たちが自分達のものを通して「こういう考え方で取り組んでおり、こういう風に寄り添える姿を持っているのです」と考える。それは、この本を作ること自体が社内広報的な役割にもなり、企業としての理念がより明確になるのだと思います。しっかりと考えられたものは、外に出しても恥ずかしくない。それが付加価値になり、僕たちは自然とUNIQLOが送り出す普通の服で普通の生活を楽しめる……。それを導いてくれるガイドブック「Life Wear」。フリーマガジンで心もフリーに。おしまい。
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