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僕のお買い物 #001 クラークス デザートトレック

マーダー (1 - 2)

アッパー部分のセンターシームと出会ったのは中学生の夏。東京から大学の夏休みで帰ってきた兄貴が、ズタボロのデニムと合わせていた。あれは確かベージュだった。カカトにはトレッキングしているのか、旅をしているのかという人物が刻印され、「色々歩いて行こうぜ」という声が聞こえるかのような靴だった。そんな出会いから約20年。自分も35歳という大人になった。そんな自分がまたクラークスと出会った。特別な靴か? と聞かれればすごく普通の靴。でもそれがクラークスの良いところなんじゃないか。

マーダー (2 - 2)▲クレープソールをみるとクラークスの柔らかさを感じる。なんだ寄り添って行こうぜという感じ。スウェードもすごく柔らかで甲に寄りかかってくる。靴との呼吸は街を歩くのに大事だ

古着屋で出会ったクラークス。靴を古着で買うのは久しぶりだ。誰かと別れた靴。次は僕の番だ。どんな道を歩いて行こうか。履いたらぴったりだった。前の主人よりお前と楽しめるのか? そしてお前は僕とどんな場所に行けるのか。家を出る1日にスタートを一緒に切る靴は、人が身につけるものなかで特別な気持ちにさせてくれる。

マーダー (3 - 4)▲デザートトレックのカカトにいるヒューマン。いいやつじゃないか。この前傾姿勢。前へ行こうぜ!

1825年、イギリス生まれのクラークス。デザートブーツ、ワラビーは傑作だ。そして特別なことがされてない靴。なんでもない服と靴を合わせている大人。そんな人がかっこいいと今思える。ちょっと清潔で、別にとんがっているわけでもない。クラークスはそんな思いにぴったりだ。

マーダー (4 - 4)

英国の普通をこれからも楽しんで行こう。




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