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Build #011 TAMIYA MM No.195 ハノマークD型 シュッツェンパンツァー 第2話 FLY HIGH!!

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han.jpgランナーに納められた人形たち。今回の主役です
◼️ロボットや兵器ではなく、僕達がダイレクトにそのものがなんなのかわかる模型が「人形」だと思います。人間が1/35スケールで樹脂になっている……腕や顔があって、服を着ている。だから兵器やロボを知らない人でも「人」なら知っています。それゆえに「人形」には感情を向けることができるのです。タミヤMMの人形達に向けられた感情、それがよく言われる「人形がいることによるドラマ性」なのだと思います。
han-2.jpg▲腕、足、胴体、顔、ヘルメット! 準備よし!!
◼️人形のプラモデルは体の各部分がパーツ分割されています。それを体のラインに合わせて接着剤でくっつけて行きます。
han-3.jpg▲ピンセットでしっかりと固定して、少量の接着剤をペタペタ
han-4.jpg▲合体!! まさにパイルダーオン!!!(知らない人はググってね)
han-5.jpg▲各パーツを接着すれば人が爆誕です。何かに向かって指差してますね。人に指をさすもんじゃないと両親には教わりましたね〜。と、こんな感じで完成します
han-6.jpg▲こちらの人は大きな銃を持ってダッシュしてますね。できるだけ背を低くし、敵弾を警戒しながらの行動。命がけ…。自分がこんなでかい銃を持って戦場で走れるのか。やっぱり戦争は怖い
han-8.jpg▲お? なんか全く想像つかないポーズの彼は? そう今回の主役です
han-9.jpg▲ジャンプマン!! 戦場へ!!!!
◼️タミヤMMのハイライトのひとつ。車両と人形が合わさる瞬間。お互いがお互いを高め合う。ハノマークからジャンプマンが飛び出す! 戦場へと到着したまさにその瞬間を切り取った景色がいきなり出てくるのです。人だけでもダメ。ハノマークだけでもダメ。まさに両者の存在で模型がより輝くのです。FLY HIGH!!
han-10.jpg▲前回の記事でご紹介したドライバーも合わせれば4人によるドラマが。突撃〜〜〜〜ッ!!!!!って聞こえてきませんか?
han-12.jpghan-13.jpg▲戦車や車両のことを知らなくても、人がいるだけで、戦場の突撃シーンだと理解できる。人が飛び出してきたこの車両はどんなものなんだろうと思考が働き、今度はこの車両の存在について考えるようになる。そしてまたプラモデルが楽しくなる。僕らは知らないうちに模型内の相互関係を噛み続けているんですhan-14.jpg
han-15.jpg◼️塗装のことも考えて兵士たちや車両には最小限の装備しか取り付けていません。戦闘を象徴する武装がつくことでさらに景色が変わります。その模様はまた次回。おしまい。

 
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Build#011 TAMIYA MM No.195 ハノマークD型 シュッツェンパンツァー 第1話 見えないところにニクイ奴!!

DSC_3003.jpg▲ドイツ軍のかっちょいい装甲車「ハノマーク」。タミヤからはたくさんのバリエーションが展開されてます。箱に描かれているアニキたちが真っ最中感バシバシで気分は戦場です
■本ブログで一番取り上げている「タミヤミリタリーミニチュアシリーズ」。戦車や装甲車、兵士など戦場の景色にある様々なものをプラモ化している模型界のキングコンテンツのひとつです。飛行機とか本とか服とかそんな記事ばかり書いていましたが、ちまちまとAFVも楽しんでまして。お久しぶりのタミヤMMでございます。そんなわけで初めて読んでいただく方にも向けて数回に分けて本キットが完成するまでをお届けしようと思います(完成するかな~。ゆるくいきましょ)。
DSC_3008.jpg▲模型用語で金型で成型されたプラスチックの色を「成型色」なんて呼びます。この色はそのモチーフをイメージした色が採用されたりします。今回のキットはドイツ軍のメインカラーのひとつ「ダークイエロー」が成型色となります。一番目にするプラモ、バンダイのガンプラは成型色で設定のカラーをできる限り再現しようというプラモになっており、組んだだけでカラフルなものが出来上がります
■箱を開けると様々なパーツがじゃらじゃらと入っています。パーツがおさまっているい枠を「ランナー」。ランナーとパーツを繋ぐ部分を「ゲート」なんて呼んでいます。他に軟質素材の物や、マーキングを再現する水転写デカールがセットされます。そして組む前にパーツを見るのもプラモの楽しみです。DSC_3009.jpg▲どか~んと一発抜きされた車両の外装。見ただけで車両のイメージが沸きます
DSC_3014.jpg▲マジでタイヤじゃん! ホイールも精密~ってなりますし、左上にはバケツのパーツも!見たことあるようなモチーフは、模型と自分の距離をぐっと縮めますDSC_3013.jpg▲銃? てっぽう? すいとう? かばん? ★▲■×●……一気に触ったことないような本気(マジ)な装備がやってきます。戦争に行くのか……DSC_3006.jpg▲深呼吸。タミヤは裏切らない。突き放さない。箱の脇や説明書にイラストと名称を掲載。他のプラモで特徴的なパーツや、今回のキットのようにアクセサリーセットとして豊富な装備品が入る場合はきちんと解説してくれますDSC_3015.jpg▲タミヤミリタリーミニチュアシリーズの核となるのが「人間のミニチュア」です。固いパーツとともに人間が枠にはまっています。このバランスがタミヤの模型。人がいると生まれるドラマとは……本模型完成までにお届けできればと思いますDSC_3020.jpg▲履帯のように足回りに巻き付けるようなものはこのような軟質素材のパーツで再現されていることがあります。ぐるっと巻けば無限軌道(俗にいうキャタピラ)の完成。プラモ狂四郎なら、あなたの模型も不整地で戦える!!DSC_3021.jpg▲水転写デカール。使用する部分をカットして、水に浸し、浮き上がったマーキングを物に貼っていきます。とても薄いので、塗装したかのようにマーキングが再現できます。プラモのマーキングではシールと共にメジャーなもののひとつですDSC_3019.jpg▲説明書の表紙。タミヤはグローバルな企業ですので様々な言語に対応しています。キットには必ず解説が入っており、自分が作っているものをさらに深く知ることができます。この積み重ねが知識になっていきますDSC_3017.jpg▲「作る前にかならずお読み下さい。おじさん」の言うことを聞けば完成に近づきます。人間素直が一番ですDSC_3018.jpg▲説明書はこのようにイラストで展開されます。パーツ番号の他にX-○○、XF-○○というようにタミヤが発売するタミヤカラーの番号の指示が入ります。この場所はタミヤカラーのX-○○で塗りますよということです
■実際に模型を作るには素手では厳しいです。人類の発明「ツール&マテリアル」を使用します。どんなものがあればいいのでしょうか?DSC_3023.jpg▲プラモと言ったらこれ!「ニッパー」!! タミヤ クラフトツールシリーズ No.123 先細薄刃ニッパー (ゲートカット用)は多くの量販店やネット通販でも購入可能で、切れ味も抜群。デザインもかっこいいので、持っていると「やってんな~」感がでますDSC_3026.jpg▲箸で豆を摘まむ大会とか昔ありましたよね? 多分このピンセットがあれば優勝できます。精密ピンセット (ツル首タイプ)(1540円)。小さなパーツをしっかりホールドして作業できるので、きれいにパーツを接着したりすることができますDSC_3027.jpg▲模型あるあるで一番語られるのが「接着剤でべとべとになった」というネタ。もはや日本書紀なのかという話です。タミヤセメントには蓋に筆が最初からセットされていて、その筆を使って接着剤を塗って貼ります。そして手前の流し込みタイプというのはサラサラの接着剤で、パーツとパーツを合わせた間に、チョンと接着剤の筆を置けば勝手に接着剤がパーツ間に流れて、接着跡が少なく接着されます。しかも速乾なのでバシバシ接着していけますDSC_3028.jpgDSC_3029.jpg▲パーツの加工や、ニッパーの切り残しのカットなど非常に活躍シーンが多いのがこのデザインナイフです。替え刃も売っていますDSC_3030.jpg▲ドリルです。プラモでは時に穴をあける指示が出てくる時があります。それに対応するために模型メーカー各社は、模型でよく使う径のドリル刃とセットにして販売したりしています。こちらはウェーブのHGワンタッチピンバイス。その名の通り、ドリル刃をワンタッチで交換できるので便利ですDSC_3031.jpg▲ヤスリです。ヤスリというと金属の棒状のものを思い浮かべる人が多いと思いますが、このように模型では金属やすりの他に、曲面になじむようにスポンジとやすりが一体になったものや、適度な反発があるスティック状の板にヤスリが付いたものなどがあり、これでパーツの形状を整えたりします
■いきなり組んでますね。途中はどうやんねん! って突っ込みはムーディーばりにめっちゃ受け流します。車両の中をシンプルに味わえるキットのようなのですが、箱に描かれてない人がいきなりいますね!DSC_3060.jpg▲初デートでやったら、一発ですっと距離を置かれる「あの手」の位置が最高にクール。こいつはワクワクするぜDSC_3059.jpg▲後ろから見ると、なんかめっちゃ叫んでませんか……DSC_3058.jpg▲確実に何かを伝えようとしている様子が腰の大きなひねりからも分かります。そして確実に車は止まっている。よそ見運転になっちゃいますしDSC_3056.jpgDSC_3054.jpg▲車両から床板を外せばもはやタイムマシン。戦場から解き放たれた遊びもできそうだなと変な妄想をしてしまいます。そんな妄想はさておき、これはトップのイラストを見てもらえば分かる通り、この車両から飛び出していく兵士に向かってゲキを飛ばしているんですね!「いってこいやーーー!!くらつけてこいや!!」とか聞こえてきそうですDSC_3061.jpg▲パタン。アニキが見えなくなりました。全く見えません……でも聞こえてきませんか? アニキのゲキが。ドライバーアニキがいないとそもそもお前はどうやって戦場にきたって?ってなりますよね。見えなくなっちゃうけど確実に重要なファクター。模型を作る人にワクワクを与えてくれるもの。それがこのドライバーアニキ
■ちょっと長くなりましたがいかがだったでしょうか? ハノマークD型ですが組みたて序盤ですでに面白すぎるプラモです。車両も難しいところ一切なし。すぐ形になります。ここからまたどのようなワクワクが待っているのか? 次の記事でお伝えできればと思います。続く……。
 
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本を読んで考える#004 ユニクロ「Life Wear」

U-2.jpg▲ユニクロのフリーマガジン。創刊号と第2号。ファッションの春夏&秋冬シーズンごとに発行されるので、年2冊発行されるという感じなのでしょうか?

◼️自分たちの商品、もしくは自分たちが取り組んでいることをよりよく見せるにはどうすればよいのか……。
どの企業も、ましてや今は個人でも小さなスマホを相手にどうすればと考えている時代だと思います。僕自身もこうやってブログでぺろぺろと文章を書いたり、写真を撮ったり、作った模型を見せたりしながら、自分はどんなことを見せたいか、またはどう見せたらかっこいいのか? など考えながら発信しています。

◼️前書きが長くなりましたが、最近「ユニクロ」の店舗には行きましたでしょうか?
ユニクロというと……服ですね。
U.jpg▲UNIQLO Uの最新作「エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)」。1500円。店頭で見て、見た目と触り心地、着心地が良くて即購入。数枚買って毎日ガシガシ着たいと思える安心感があります。デザインも良いのですがどちらかというとプロダクトとしてすごくしっかりしているのがUNIQLOだと感じています

◼️お手軽な価格だからこそちょっとサイズ感をいつもと変えてみようとかできる遊び、大量にある服から自分好みのものを選ぶワクワク感、トレンドが入っているので、意識していない人でもその時の雰囲気を知らずと知らずのうちに身に纏えるインスタント感(←似合うかに合わないかは別のお話です)、企業努力による価格帯によりお手軽に購入することができ、生活服としてガシガシ着ることができる! いつもそばにいてくれる存在。これまでの「洋服」とは違って「ユニクロはユニクロ」というプロダクトを確立させており、知らず知らずのうちに僕らも服だけではなくユニクロが仕掛ける動き(ブランドや実力&実績のあるデザイナーとのコラボなど)も楽しんでいると思います。そんな企業がより多くの人に自分たちの考えを提示しようと動き出しました。それが冒頭の写真の「Life Wear」です。
U-3.jpg▲現在店頭で配布されている第2号は「Livable Cities 」と題して街と服の関係、等身大の暮らしやすさにマッチする服とか生活とはどんなことかということを、曼荼羅で言えばUNIQLOの服を主尊に据えてテーマごとに語られています

◼️自分たちのポリシーを伝えるためのオウンドメディアであるのですが、カタログ的な面も持ちながらもそれだけに留まらず様々な要素でUNIQLOの服の魅力と考え方を伝えている非常に素敵な内容です(というかこんな編集してたら楽しいでしょ! って本気で思ってしまいました。)。webでも公開しているのですが、ぜひお店に足を運んで1冊手に取ってみてください。webでは体験できない、本による記事のパレードを自分の指でページをめくることで体感するとこの「Life Wear」が伝えたいことがぐっと近くにやって来ると思います。
DSC_3389.jpg▲こちらは創刊号。現在は店頭では配られていません。「New Form Follows Function(機能美から生まれる新しいデザイン)」というキーワード。ファッションやライフスタイルの本にあるかっこいい感じのテーマ(だけどどんな意味なの?ってなりますよね。)。UNIQLOにあるストーリーを大事にする誌面構成により、UNIQLOの服に付加価値がついたと思います。僕はこの号が出て、よりUNIQLOを見るようになりました

◼️また表紙のロゴのUV加工や中面での紙の切り替えなども楽しく、どんな台割(印刷物の設計物)になっているんだろうと、つい昔の癖で台割写経したくなってしまいました(しました。ただでもらえて、服も楽しんで写経ができるなんて……)。
U-4.jpgU-5.jpg▲2枚の写真を見てもらいますと、ちょっとわかりにくいかも知れませんが、同じ本で異なる紙が使用されています。テーマや見せたい雰囲気、コスト面などで切り替えたりしていると思われるのですが、フリーマガジンでこのように美しい流れで紙を変えて、読んでいる人の脳のスイッチを自然に切り替えていくギミックが盛り込まれているのはすごいと思います。写真やスタイリングも様々な雑誌で活躍する一流の方達なのでよりUNIQLOの服がよく見えますね

◼️自分たちのものを知ってもらうために、自分たちが自分達のものを通して「こういう考え方で取り組んでおり、こういう風に寄り添える姿を持っているのです」と考える。それは、この本を作ること自体が社内広報的な役割にもなり、企業としての理念がより明確になるのだと思います。しっかりと考えられたものは、外に出しても恥ずかしくない。それが付加価値になり、僕たちは自然とUNIQLOが送り出す普通の服で普通の生活を楽しめる……。それを導いてくれるガイドブック「Life Wear」。フリーマガジンで心もフリーに。おしまい。
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