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BUILD 再会。1/35MM

フンメル (2 - 5)
兵士たちの視線を僕たちが追う。その瞬間僕たちはプラモデルに魅了されている。
タミヤ1/35MMの最新作「ドイツ重自走榴弾砲 フンメル 後期型」はタミヤのミリタリーミニチュアのミルフィーユ的うまさを感じる重層な楽しみがある模型です。先に発売されている同一の車体が使用されているナースホルンは、僕の中で現在のタミヤの戦車模型のクオリティー、21世紀の戦車模型の入口となったものと思っており、フンメルはバリエーションキット的な立ち位置で見てしまっていました(フンメルのキットはほぼ新規パーツ…すんごいこだわりが詰まりまくりです)。ところが組み立ててみるとそこにはバリエーション云々ではない世界がありました。このキットこそワンパッケージでタミヤMMの面白さを詰め込んだキットだったんです。

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IMG_4912.jpg▲こちらはフンメルと同一車体、III号・IV号戦車系自走砲専用車台を使用して開発されたナースホルン。ドイツの自走砲ではフンメルと同様めちゃくちゃ人気のある車両。ドイツ軍の71口径8.8cm Pak43/1がズーンと伸びるそのシルエット。本当に好き。そしてナースホルンは現在のMMのスタンダードにもなっているスキャン技術と原型師のアイディアが盛り込まれたフィギュアが付属するキットの走り。インジェクションでレジン製のミニチュアのようなものが入ってしまったんです。当時箱を開けた時そのランナーをずっと見ていたのでした……。タミヤが次のステージに来てしまったあの衝撃は忘れられません。フンメルとは対照的なオープントップの中での緊張感。車両を介して中でドラマを作るか、外でドラマを作るか。車両はまさに家。タミヤMMにはドラマが描かれているとこの2種から感じてしまいます

そしてフンメルです。最大の特徴はみるからにごっつい15cm重榴弾砲。車両に関してはこのキットの魅力のほぼ全部とも言える組味を楽しませてくれます。「チッチェ〜」と思うパーツにものりしろがしっかりあるので接着剤をすっと塗り、乗せてあげればパーツたちはあるべき場所に融合します。ビスを使用することでパーツはしっかりと固定され、砲身の仰角がググッと取れる手応えはこの重自走砲の重々しさを指先で感じさせてくれます。
フンメル (4 - 9)
フンメル (3 - 9)
フンメル (2 - 9)
フンメル (1 - 9)▲少しずつ形になって行く15cm重榴弾砲。各ユニットの重なりは美しく、しかもシリンダーも連動して重たい砲を持ち上げる。ここは塗装でどう見せるか。作りながらワクワクが止まりません
フンメル (5 - 9)▲オープントップはメカニズムを目と指で体感できる模型です。そして必殺の一撃を与える兵器の象徴である部分には人を魅了する美しさがあるんですね。またこちらで使用している金属砲身は、キットと同時発売となったタミヤの純正パーツ

役者は舞台に現れるとスポットライトを浴びその空間を支配します。千両役者なんて言葉がありますが、この3人はどれもが一流。千両払わなくても僕らのもとにやって来てくれます。
フンメル (5 - 5)▲車両から手を伸ばす彼。車両から身を乗り出しています。この人下で膝をついてる人に何か指示を出していたんですね。弾を受け取ろうとしていたのかと思っていました。下の人と視線が絡み合う。組んで置くだけで車両の中と外が戦場になる。彼が戦場へと連れて行ってくれます
フンメル (3 - 5)▲弾を車両に載せるガイ。こんな風に持つのか!と学びもあります。木の台に乗って、車両と高さを合わせて弾を載せる。なんと兵器とは攻撃するまでに大変なのか、そしてフンメルはでかいんだと思わせてくれます
フンメル (4 - 5)▲彼は何を言われているのか。何を言い返しているのか? 次弾を準備している姿ではあるが視線は車両上の兵士に向けられています。会話が聞こえるかのようなプラモがこのフンメルなんです
フンメル (7 - 9)
フンメル (9 - 9)▲実際に人間をスキャンしたデータを原型師が凄腕で仕上げて行くタミヤのフィギュア。昨今では車両を超える魅力さえ放ちます。そしてこのフンメルのフィギュアを組んで思ったのが、車両の中と外で織りなすドラマを組んだ人全員が楽しめるように「視線&首の向き」が曖昧にならないように、ガチッと首と胴体の位置が決まります。そしこのフィギュアたちを配置した時「戦車模型って人と車両が織りなすドラマを楽しめる模型なんだ」という奥行きを感じることができるはずです。ビークルだけではない魅力。1/35スケールという僕らの視界におさまるサイズで迫ってくる世界に心が踊るのです

昨今すごくはまっていた1/48MMを通り1/35MMとの再会がこのフンメル。外見の美しさと車両の特徴は両スケールで体感できますが、35って自分の視界一杯に戦車模型の景色が広がるからワクワクするのかもという気づきもありました。僕の視界で何が起きているのかを即座に楽しことができるスケール。そして構成。それはタミヤ1/35MMの魅力なのかもしれません。塗らなくてもかっこよさがバシバシ来て、この模型って本当に素敵だなと頭で何度も想いを巡らせることができる。やっぱりタミヤ1/35ミリタリーミニチュアシリーズはプラモの王様なのかもなとフンメルは感じさせてくれました。

さぁ次は完成した姿をお見せできればと思います。素組みでかっこいいんだから塗りたいっしょ! だからパーツ一部接着してません! お楽しみに👊











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僕のお買い物 #002 SONY Cyber-shot DSC-RX100M6

RX (2 - 7)

ありがとう。どこか行くときによく手のひらに納まってくれていたカメラ。SONY RX100。写真って面白そうだな〜と思って興味が出たときに初めて出会ったのがこのカメラでした。そんなRX100が先日、ついに電源も入らなくなりその役目を終えてしまいました。本当にありがとう。

RX (1 - 3)
RX (2 - 3)
RX (3 - 3)
妻との新婚旅行。まだ買ったばかりのRX100を持ってメキシコへ。めちゃくちゃに暑い日差し。僕の手汗を吸ったRX100はとても素敵な思い出を僕たち夫婦に残してくれました。

RXエイ (1 - 3)
RXエイ (2 - 3)
RXエイ (3 - 3)
雑誌を作るための英国取材。僕の人生を大きく変え、次に進んでみようと思ったあの日々にもRX100はいました。特に夜の街歩きというか飲み。そんな楽しい時間にもひっそりと。そのひっそりがこのカメラのかわいいところ

DSC06412_3560.jpg
その場の雰囲気を壊さず撮影を楽しめる。気楽にすっとその場の空気を読んでくるにくいやつ。だからアクティビティの場所に連れていける。
RX (6 - 7)
RX (4 - 7)
RX (3 - 7)
どこでぶつけたんだっけ? リング汚くしてごめん。ZEISSのロゴめくれまくってる! おめぇといっぱい歩ったな〜と色々思い出します。
零戦二一型01_convert_20131020175200
初めて完成させることが出来た飛行機模型「タミヤ 1/72 零式艦上戦闘機二一型」もこのカメラが写してくれました。今も飛行機模型楽しんでるよ。ありがとう。

RX100で写真を撮る楽しみを知り、そこから旅行や模型へのモチベーションも上がりまくり、このカメラと出会えたことは僕の人生の大切な部分を豊かにしてくれました。だからさ…
RX (7 - 7)
お前の息子を買ったよ。次はこいつといろんな夢の道を歩こうと思います。お疲れ様でした。RX100。そしてこれからよろしくなRX100M6。
RX (1 - 7)
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僕のお買い物 #001 クラークス デザートトレック

マーダー (1 - 2)

アッパー部分のセンターシームと出会ったのは中学生の夏。東京から大学の夏休みで帰ってきた兄貴が、ズタボロのデニムと合わせていた。あれは確かベージュだった。カカトにはトレッキングしているのか、旅をしているのかという人物が刻印され、「色々歩いて行こうぜ」という声が聞こえるかのような靴だった。そんな出会いから約20年。自分も35歳という大人になった。そんな自分がまたクラークスと出会った。特別な靴か? と聞かれればすごく普通の靴。でもそれがクラークスの良いところなんじゃないか。

マーダー (2 - 2)▲クレープソールをみるとクラークスの柔らかさを感じる。なんだ寄り添って行こうぜという感じ。スウェードもすごく柔らかで甲に寄りかかってくる。靴との呼吸は街を歩くのに大事だ

古着屋で出会ったクラークス。靴を古着で買うのは久しぶりだ。誰かと別れた靴。次は僕の番だ。どんな道を歩いて行こうか。履いたらぴったりだった。前の主人よりお前と楽しめるのか? そしてお前は僕とどんな場所に行けるのか。家を出る1日にスタートを一緒に切る靴は、人が身につけるものなかで特別な気持ちにさせてくれる。

マーダー (3 - 4)▲デザートトレックのカカトにいるヒューマン。いいやつじゃないか。この前傾姿勢。前へ行こうぜ!

1825年、イギリス生まれのクラークス。デザートブーツ、ワラビーは傑作だ。そして特別なことがされてない靴。なんでもない服と靴を合わせている大人。そんな人がかっこいいと今思える。ちょっと清潔で、別にとんがっているわけでもない。クラークスはそんな思いにぴったりだ。

マーダー (4 - 4)

英国の普通をこれからも楽しんで行こう。




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