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タミヤのヨンパチ戦車模型をもっと食したい!

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 ヨンパチ。1/48スケールのキットを多くのモデラーはこう呼びます。1/〇〇スケールのキットを、サンゴー(1/35)とかサンニー(1/32)とか言ったりします。モデラー言語ですかね。知らないうちにそんな言葉を発し、そして僕はこの言葉(スケール表記)に自然と縛られていたのでした……。なんて勿体無い! でもそれは昨日までの自分! こんにちは、ヨンパチ! タミヤの戦車模型のシリーズ「1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ(以下MM)」のお話です。

■誕生は2003年。ハイクオリティの優等生
 戦車模型において、王者のスケールとも言える「1/35」。今年誕生50周年を迎えたタミヤ 1/35 MMシリーズが切り拓いてきた世界です。その後に誕生したのが、今回製作した「1/48 MM」です。この1/48シリーズが誕生したのは2003年10月。現在のような「ハイクオリティなタミヤ」が確立されてからのシリーズなのです。
 1/35 MMの第1弾がドイツ戦車兵セット。1/48 MMも第1弾はあるものをサポートするかのようなキットになりました。そう「飛行機」のキットです。1/48スケールは飛行機のキットのメインストリームの一つ。このスケールを一つのスキームとして考えるような思考で「Pkw.K1 キューベルワーゲン82型」が第1弾としてキット化されました。パイロットも付属し、Fw190などに添えて楽しめます。その後もケッテンクラート、キューベルワーゲンのアフリカ仕様などが発売され、第4弾に満を持して戦車のキットが発売されます。その車両は……
「ドイツ重戦車 タイガーI 初期生産型」。KING OF TANKの降臨。これを皮切りに、48MMが車両や人、各種アクセサリーを展開して行くようになります。ただその中でもソフトスキン系が充実しているので、飛行機や戦車というジャンルではなく「48スケール」というスキームであれやこれやを合わせるという視点は失われていません。
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DSC_4776.jpg▲このジェリカンセットは連合軍、ドイツ軍のものがセットになっているお得なもの。ランナーの中には両陣営がセットされ、そこには争いもなく、モデラーからのイマジネーションだけが注がれます

■1/48MMを見てみよう!
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 ランナーだけ見ていかがでしょうか? 1/35スケールのキットと分割は違えど、そんな知識がなければ全くもってスケールダウンしている感じはありません。これは最新キットの一つ「イギリス戦車 チャーチルMk.VII クロコダイル」のランナーです。1/35MMではNo.100として発売された車両です。それを最新のクオリティで、1/48で楽しむことができます。なぜこのキットを紹介するのか……。それは、タミヤ48MMがこれから挑戦していこうというものが見えてくるからです。
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 チャーチルやマチルダでモデラーを躊躇させるのが「転輪」。1/35では何個も組んだあの思い出……。俺は今回もこれを楽しむんだ、ぐへへ…とか言ってるとタミヤさんが優しく「こんなものをご用意しました」とあなたに囁きます。転輪が繋がってる! しかもスカートで隠れる部分はパーツすら存在しない!!! あ〜なんて素敵。小スケールのものをお手軽に組んでコレクションしてほしい。「そのための工夫はこれなんですよ、食べて見てよ!」と。ミスター味っ子ばりの演出がそのランナーを握った瞬間にやってきます。間も無く100作を迎えようとする48シリーズの円熟と、35とはどういう風に変えていこうかということを明確にしようとする開発陣の声が聞こえます。
DSC_4779.jpg▲1/48MMの履帯はプラによる部分連結式。ディテールはご覧の通りパッキパキ
DSC_4785.jpg▲砲塔の鋳造の質感。文句なしでしょ
DSC_4784.jpg▲フィギュア……。35MMだけではなく、48も驚異的。パーツ見ると「やってんな〜!」って唸ってしまいます。48MMのフィギュアのターニングポイントはどこか……今度調べて見ます
DSC_4790.jpg▲艦船模型ですか? と思わせるバラスト。模型と重さの関係ってあなたはどう思いますか?
 1/48MMの特徴はこの重りです。初期のアイテムはシャシーがサフ吹き済みのダイキャスト製(すぐ塗れます)で重さという価値を追加していました。小サイズでも戦車らしい重量感を。最初は?でしたが、今回完成した後これいいかも〜って思いました。重さってなんなんでしょうか? 重さにある価値とは……。今はバラストになっているので、ご自由に選択できます。
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 こちらのチャーチルを次回のエントリーで組んでレビューしてみようと思います。とにかく1/48MMは……
☆タミヤクオリティが完全に確立してからの新シリーズであり完成度はパナイ!
☆パーツ数の省エネ化。でも省略されすぎてないディテールによる高解像度
☆週末モデリングに最適!
☆けっして小さくない凝縮感
 と次から次へと箸を伸ばしたくなります。自分は35で作ったことのない車両を中心に攻めてみようかな〜と思っています。本当に速攻形になるということがここまで楽しいことなのかと実感させてくれます。息子を寝かせている合間に作れました。
 そして10式やエイブラムスのような現用戦車もラインナップに加わりました。35だと大きなサイズになるものが多い現用戦車だけにこれはとても嬉しいですね。とにかくタミヤカタログと毎晩睨めっこしながらスヤ〜〜と就寝してます。

■今回製作した「ドイツ8輪重装甲車」
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DSC_4751.jpg▲35MMで何度も組んでは中途半端にしていた8輪重装甲車。48で完成させることができました。何もいじってません。このシャープさ。キットがすごい!
DSC_4765.jpg▲フィギュアは…車内で隠れるところは塗りません。このサイズなら、基本カラーと肌をサッと塗るだけでも充分だと思います。気楽にいきましょ。いっぱい作りたいもん
DSC_4737.jpg▲ベースにはウォーハンマーのキットに入っているものがぴったりだったので、使用しました。このような丸いベースや四角いベースが一枚入っているだけで、48は世界が広がりそうですね
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 さぁ、次はチャーチルですね。1/48MMもこれからアップして色々レビューして見たいと思います。寒くなってきたのでお風邪などにはお気をつけて〜。ではでは〜。








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混色無しでF2ザクのグリーンに挑戦した話

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ジムに続いては、バンダイのHGUCシリーズの中の傑作キット「MS-06F-2 ザクII F2型」、通称F2ザクです。
前回のジムで、実は混色に一度失敗しており、混ぜないでなんとか良い色を見つけて塗ってみようと思ったのが、今回の製作のきっかけでもあります。ビン生の状態で良い色が見つけられればそれを買い続ければ良いですし、塗装も快適に行えます。ということで今回はこんな色を使って見ました。前回同様塗料は「ファレホ」です。

ファレホの基本的な使い方はこちらのエントリーをどうぞ!

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F2ザクのなんとも言えない淡いグリーン。あのイメージに、自分の好みで少し彩度が落ちた色ってないかな〜と色々見ていたところ、ソミュアというフランスの戦車のカラーにも使われている「スカイ」がもしかたらあうのかも!? と思いました。
こちらがタミヤMMシリーズのソミュア。神キットです!
使ってみるとかなり良い感じ。そこで腕部や脚部などのグリーンは「スカイ」で決定! 今度はこのスカイに合わせて濃いグリーンを選ぶ旅に。ちょっと濃いグリーン系はドイツ機(飛行機)の迷彩色に絶対似合う色があると探したらRLM63がヒット! この2色でグリーンは塗装しています。
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次はグレーです。黒っぽいカラーは黒じゃなく黒に近いグレーで塗るのが好きです。そんな時便利なのがジャーマングレー。めちゃくちゃよく使うので特大サイズの物っす。自分はガンプラのグレーは2色以上使うのが好きなので、関節部をウォームグレー、パイプはニュートラルグレーに近いものにしようと思いました。ウォームグレーは蛍光ピンクとか混ぜたりして作っている人もいるかもしれません。自分もよく混色していたのですが、最近イスラエル戦車を見ていて思ったんです。「シナイグレーって関節のウォームグレーに良いのでは…」早速一発勝負! かなり好みの感じに。各メーカーのシナイグレーの色味にもよりますが、ファレホモデルエアーのシナイグレーはかなり良い感じでした! 今後も使うと思います。
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バーニアにはファレホメタルカラーのジュラルミンを使用。光沢ブラックの上から吹けばめっちゃ輝きます。今回はちょっと派手な感じにしたかったので、吹きっぱなしで墨入れもしていません。コートも無しです。
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デカールはガンダムデカールとVertexのデカールを使用。色々なサイズや色のジオンや連邦マークだけのデカールとかが欲しいんだよな〜。よくわかんない字とか「EXAM」とかでかく書いてあるのは正直…。あ、すいません。言葉に気をつけます。
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F2ザクは武装も豊富なのが嬉しいっす。フットミサイル。ちゃんとつけたの初めてかも…。弾頭はシタデルカラーのメフィストン・レッドで筆塗りしました。シタデルカラーの塗りやすさのおかげでマスキング無しでささっと塗ることができるのは本当にありがたい〜。
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先日完成させたジムと一緒に量産機で記念撮影。やっぱここはジムカスタムでしたかね〜。カスタムも作ろう! あのブルーもなかなか難しそうですね〜。
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色を混ぜて作る以外に色を見つけてくるというのも模型の楽しみだと思います。そして何より色知識のレンジが広がります。様々な模型を楽しむと色んな色を使って自然に「あれっぽい色ならいけるか?」という発想もできますし、それ以外でも自分が身につけているものや、スポーツチームのユニフォームのようなイメージカラーなど参考になるものはたくさんあります。ファレホはに限らず、Mr.カラーやガイアカラー、タミヤカラーと現在色数も豊富なので、お気に入りのものが見つかると思います。見つけることができれば安定してその色味を毎回出すことができます。次のガンプラの塗装、混色無しでいかがでしょうか? それではまた〜。

■製作に使用した主なもの
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ゴッドハンドの神ヤス! です。高品質なスポンジやすりです。厚いものはエッジも出せます。ザクのような曲面に最高の相性です! 様々な厚さと番手があります。
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BMCタガネです。凹モールドの彫り直しに使用しています。
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ファレホメカカラーのグロスバーニッシュ。これは光沢トップコートです。スミ入れ&デカールを貼る前に一度光沢クリアーを僕は吹きます。光沢面にスミ入れすると、塗料がにじむことなく、拭き取りの調整もしやすいです。また光沢の表面は平滑なので、デカールもシルバリングしにくくなります。
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最後の仕上げにつや消しはGSIクレオスのプレミアムトップコートのビンであるプレミアムクリアー。フラットベースもあります。ファレホは水性なので、水性のコート剤でコートしています。プレミアムクリアーは本当にしっとりつや消しになるのでオススメです!
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スリーストライプと歩む道

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靴は浪漫。革靴でもスニーカーでも僕は靴には特別な力があると思います。足を入れ1日が始まる。脱いで1日が終わる。生活の節目、時間の流れ、シーンの移り変わり。そんな時に体についたりはなれたりする。そんなものだから、足だけじゃなく目や手で触れるから。靴ってちょっと特別なんじゃないかと思います。
今日はアディダス。僕がアディダスの名品と思う3つのお話です。そしてその一つは今日、妻から誕生日プレゼントでもらったモデル。どれもあまりに普通で、珍しさとは真逆の世界。でもそんな靴だからこそ一緒にいたいと思えるものです。

スエード使いのミニマルファンタジスタ「ガゼル」
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フットボールスタイルで、無駄のないスリーストライプ。デザインにアクセントを与え、少し外した感じの白いタン。1991年に登場した「ガッツレー」のデザインを忠実に捉えたモデルです。欲しいな〜というのを妻が覚えてくれていて今日いただきました。嬉しい。
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ヒールタブにはトレフォイル。文字が無いシンプルさ。サイドのスリーストライプにトレフォイル。これですよね。どこに行ってどんな世界をこの靴に見せてあげようか? そしてどんな世界を見せてくれるのか。たくさん汚れていっぱい成長して行きたいですね!

オールレザーのbasket shoesとして世に放たれたアディダスの怪物
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街で見ないなんて日はないのではないでしょうか? 独特な爪先のデザインに、履きこまれて鈍く光るレザー。タンに輝くトレフォイル。そして堂々としたスリーストライプ。履くだけでもう一日がよくなるんじゃないかと思えるくらいこいつはかっこいい。初めて出会ったのは13歳。親父に買ってもらった最初で最期のスニーカーがスーパースターでした(親父も好きで履いていました)。この靴にすべてがマッチした雰囲気の人って本当にかっこいい。自分はもう少し時間がかかりそうです。

世界で一番美しいスニーカー「スタンスミス」
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もう何足履いたでしょうか…。これは6年物。ご覧の通りボロボロです。でもスタンスミスってソールが減って、サイドもクタクタになって。タンがその人の甲の形になって。なんでしょう…スニーカーから足になる感覚。その人の歩んできた姿がすごく形になっていくスニーカーだと思います。だから僕はこのスニーカーは世界で一番美しいモデルだとも思っています。
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本当に靴が好きな人にとっては「ひどい履き方してるな…」と思われるかもしれません。でもこれが俺のスタンスミスであり俺の足。ケアもしてるんですよ! でもそろそろ新しいのも欲しいなと思ったり。スタンスミスのスペースが無い下駄箱は寂しいと思っちゃいます。
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アディダスの靴の歴史ではキャンパス80sといった傑作もあり、こちらもとてもオススメです。明日からガゼルを履いてまた新しい1日をはじめたいと思います。それではまた!!!



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