2022/07/24
「初めて作るヒコーキ模型」は製作スタイルの全て/ハセガワ 二式水上戦闘機

「ハセガワ 1/48スケール 二式水上戦闘機」が完成した。零戦をベースに水上機へと改造したその姿は、美しい零戦に力強さが加わってとてもかっこいい。このキットのことは、僕が副編集長をやっているnippperのこちらの記事を読んで欲しい。
かっこよすぎる「水の零戦」のプラモを作ろうぜ!!/ハセガワ 1/48 中島 A6M2-N 二式水上戦闘機 佐世保航空隊

僕は先日スケールアヴィエーション編集部と共に「初めて作るヒコーキ模型」を編集した。この本は「飛行機のプラモデルってどんなものなんだろう?」「どんな場所に売ってるんだろう?」「どんな道具が必要なの……」などなどを専門用語を極力使うことなく紹介している。
みんなで楽しめる世界一やさしい模型本「初めて作るヒコーキ模型」。
この本に書いてあることは、僕の飛行機模型製作スタイルの全てで、正直これ以上でもこれ以下のこともしていない。いつもこの本に掲載されていることをやって完成させている。いつも同じようなことをしているのだが出来上がる模型は、それぞれ表情が異なって見える。そんな不思議なことが起こるからプラモデルはとっても楽しいんだ。
今回作ったハセガワの二式水上戦闘機も乱暴に言ってしまえば、平筆で塗料を塗りたくっただけだ。コクピットなんて組み立てた後から筆を突っ込んでグルングルン回した。加藤単駆郎氏により描かれたパッケージイラストの雰囲気がとても素敵で、あんなふうに塗ってみたいという思いだけで筆を動かしていた。



筆で塗っても良いし、エアブラシで塗っても良い。自分がやりたいようにやって良しなので、プラモデルの塗装は最高に楽しい。僕は塗料の食いつきを良くするのと、下地の色が影色になるようにエアブラシで紫や黒に近いグレーを吹いた後に筆塗りすることが多い。
この下地の上に塗料を塗って行くと、最初は下地と本体に塗るメインの色でぐちゃぐちゃになって「本当にうまくいくのかな?」とめっちゃ不安になる。でもこの不安がたまらない。不安だからこそ「かっこよくしてやるからな~」みたいな親心が芽生えてしまうのは僕だけか。
筆を動かすたびにだんだんメインの色で覆われていく。うっすら残った下地がプラモデルに表情を与えてくれる。その変化を筆からダイレクトに感じることができる。それはまさに、グレーだったものが1/48スケールの飛行機に変わっていく瞬間を味わっているんだ。








あとは明灰白色に白やライトブルーを混ぜる量を変えながら、どんどん塗って行く。パレットで適当に混ぜているから、塗るたびに微妙に色が変わる。一枚の翼、胴体に様々な色味が現れ、計算して塗るのとは違う雰囲気になり、それがまた楽しい。
混ぜる色さえ変えなければ、だいたいの混色塗りは大きく転ぶことは無い。
最後にタミヤスミ入れ塗料でウォッシングすれば、各面の色味もいい感じに落ち着いてかっこよくなる。





あとは自分がかっこいいと思うように撮影。「最高だね!!」なんて心の中で語り掛けながら撮影する時間は、本当に楽しい。楽しすぎるので、僕にとって撮影までがプラモ趣味なんだと思う。
作った楽しさを忘れないように、こうやってブログにも書く。どんなプラモも完成まで過ごした時間は、僕の人生の中で特別な時間だ。楽しかったプラモへの感謝も込めて。今回も最高に楽しかったよ。ありがとう「二式水上戦闘機」。


